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  • house
  • 1992

IHH

管理棟(IHH)
 森の中の道路を上がっていくと、最初に見えてくるのは紅殻色の管理棟(IHH)。建物は、オフィス+工場棟(IDIC)とゲストハウス(IGH)、そして工場に通じる道路を一望できる位置に建っている。緑の中でひときわ目立つ紅殻色も、管理棟としての性格から、注目をうながすための色として選んだものだ(もっとも、現在はゲストハウスとして使用されているが)。
 最初の計画では、管理人と家族が住むことになっていたので、RC造3階建ての建物は一般的な住宅と同じようなつくりになっている。意識したのは、9×9×9mのキューブの中にいろんな高さの天井高を持つさまざまな空間をつくること。同じRC造でも、ガラス張りのカーテンウォールのあるIDICの大空間とは違って、コンクリートの壁面で囲まれた一般的な広さの部屋——リビング、書斎、寝室——で過ごすことにより、住宅サイズにおける室内気候を体験(及びデータ収集)することができる。
 建設の途中でゲストハウスに変更となったため、水回りの増設をしなくてはならず、納まりの面では少々納得のいかない部分もあるが、吹き抜けの下に広がる居間から窓越しに見る緑や、窓の外周に設けた袖壁の紅殻色が、光の加減によって室内の壁を淡くピンク色に染める光景はいつ見ても美しく、とても居心地のよい空間だ。

作品名 IHH
所在地 Hachimantai(Mastuo), Iwate 岩手県 八幡平市(旧松尾村)
設計 Andrea Held(Hikone), Akira Hikone 彦根 アンドレア、 彦根 明
施工 Kajima Corporation 鹿島建設
構造 Reinforced Concrete RC造
階数 3stories 地上3階
敷地面積 251,054㎡
建築面積 81㎡
延床面積 199㎡
設計期間 1991.01 - 1991.06
工事期間 1991.07 - 1992.04
竣工 1992.4
撮影 A.H.ARCHITECTS 株式会社彦根建築設計事務所